坂村真民との妙縁録(9) 空円光 「一瞬の出会いで人生が決まり一つの言葉で運命が変わる」 その2坂村真民先生を紹介して下さった恩人、角 晌さんのことは、長年の懸案事項だったが、漸く妙縁録6と8でその経緯をまとめ、一区切りができ、ほっとしている。それと共に、真民先生への一筋の思いに、一層拍車がかかって来ている。 そこでこの際、先生との妙縁を今日まで深掘りをすることが出来た大恩人についても、初めてその全貌を明らかにすることにする。そうするのも、それが私の人生の全てと言っても過言ではないからだ。その大恩人の主は、120余年の奈良の老舗、かまぼこ専門店「魚万」の魚谷和良社長である。人望が厚く、地元では現在も、七面六臂の活躍中である。 既にご案内済みの2024年4月7日(日)の「坂村真民生誕115周年合唱祭典」の陣頭指揮も、全て彼に全托している。人頼みとは言え、長年の信頼関係から、大船に乗った気分で安心していられるからだ。 さて、彼との出会いは、正に「事実は小説よりも奇なり」の奇縁であり、それが貴縁、尊縁になるまでの出会いの妙は見事なドラマと言えよう。 そもそものきっかけは、1994年に出版された自著「念波の時代」にまで遡る。上記添付の資料の通り、1994年2月6日〜5月14日まで、100回連続講演をする目標を設定した。初めての本なので、より多くの人に知って貰う為に、毎日!(今から思えば無謀過ぎたが)連続で必死に講演をしたのである。 人持ち人生を実証する意味合いもあった。お陰様で皆さんの協力により、5月14日、大阪中央公会堂に約千人の方々にお集まり頂き、「達成記念コンサート」を盛大に催すことが出来た。 この「100回連続講演」は、様々な所で講演をさせて貰った。第86回は、「日本JC広報委員会」の委員長助川尚一さんからの招聘であった。助川さんとは、「JC青年の船」に、同じ委員会のスタッフとして乗船し、懇親を深めていたから、その誼からの依頼であった。 さて、講演当日、私は古巣のJC、しかも助川さんの委員会ということもあって、喜び勇んで会場に向かった。ところが、講演会場に入った途端、異様な雰囲気にいきなり出鼻を挫かれてしまった。50人位のメンバーの殆ど全員が、前日の打ち上げの影響で、二日酔いの顔と空な目、中には最初から机に顔を伏せている者もいた。流石の私も、一気に講演をする気が失せてしまった。 それでも、何とか気を取り戻し、「念波の時代」の主たるテーマ、「念(おもい)が世界を変える.光と愛と和の念波」について、熱意を持って話をした。しかし、当然のことながら、反応が鈍い。それどころか、堂々と眠る者まで出て来た。我ながら情け無い気持ちになった。そこでこれではダメだと思い、講演は早目に切り上げ、眠っている者を起こす意味もあって、突拍子もない手段に打って出た。 僅かな正気のメンバーを奮い立たせて、「感即動」の連呼をさせたのである。その声にビックリして、眠っていた者たちも、渋々連呼に応じた。 感即動!感即動!感即動!感即動! ホテルの会議室は、「感即動」のシュプレヒコールで鳴り響いた。 その結果、思いもかけない絶大な効果があった。何と!講演の翌日、メンバー5人が「感即動」で、早速大阪のホテルから、まだま村を訪ねて来たのである。前日のことはすっかり忘れて、JCらしい青年の行動力に私は甚く感動した。 その中の一人が当の魚谷和良さんだったのである。さぁ、これからの展開はどうなるのだろう? つづく