Blog, 坂村真民先生との妙縁録 坂村真民と妙縁5 坂村真民全詩集に収録されている三番目の詩は、「雪の降る空でないのに」である。真言碑のノミ入れ開始から10年後、やっと入魂除幕式に漕ぎ着けた。2000年2月22日2時2分2秒のカウントダウンも、真民先生先導の下、厳かに且つ厳粛に執り行われた。 とはいえ、真民先生の列席は当初予定になかった。先生の奥様がくも膜下出血の療養で、自宅で寝たきりであったこと、それに先生が91歳という高齢であったこと、更には、2月22日という極寒であったこと、それらを勘案して、私は先生の式典参加のお願いを 憚った。ところが、式典間近になって、秘書役の片山克様から連絡が入った。「立花さんとこの碑は特別だから、何としてでも出掛ける」とのこと。そこで、大慌てで先生お出迎えの準備をした次第である。 当日は、ブルブル震える程寒かった。当然、先生は防寒コース姿でお出ましになった。だが、写真の通り、式が始まるとコートを脱ぎ、式典終了まで背広姿で通された。 体の障にならないかと、周りの者は皆ハラハラした。さて、式典については、二回に渡って「詩国」の後記(別添付)に紹介された。「一万人の人が心を込めてノミを入れた碑です。こんな碑は地球のどこにもないでしょう」誇張とも思える賛辞に、私は報われた思いを抱いた。 異例づくめだが、碑の祝歌まで頂けた。「五三二 いつ見に来てもパワーを頂く碑のありがたさ」霊碑に相応しい祝歌のお陰で、碑番を忘れることもないから助かっている。この日以来、私は先生のお手本(写真添付)の真似をして、病に倒れるまでずっと、毎朝碑に額を着けて念じ続けた。 次々と花が開いた話は長くなるので省く。では、証拠となる最後の写真を見て欲しい。念ずればの「ず」の左横の黒い跡が、私が額をつけた箇所だ。雨にも消えない「念」の証しの刻印である。 最後に、碑の建立に大変お世話になった副願主、神人Nの当日の記念の俳句を載せさせて頂く。 「黄金色 まだま精舎に 降る雪や」 彼には、雪がこがねいろに見えたそうだ。まるで金粉が降っているかのように。